逃げるか、向き合うか
人事を尽くして天命を待つ
・・・・、しかないんだと思う。
精子がゼロという現実は、
青天の霹靂だと思う。夢にも思ってなかった人もいると思う。
努力ってなんだよ!って怒りたくなったり、今まで自分が頑張ってきたことも何だったんだろうって絶望したりもあると思う。
なんでこんな運命を自分に背負わせたんだよ!って神様を恨みたくもなると思う。
本当、なんでだろうね・・・。ひどいよね。
何年も考えてきたけれど、”子どもを授かること”をゴールに設定すると、努力とは関係なくその望みが叶わない夫婦が一定数でてきてしまうんだよね。先天性もあるわけだから。
だから、
夫婦2人でどれだけ頑張り合えたか、
夫婦2人でどれだけ納得した道を進めたか、
そういう視点を大事にしていくしかないんじゃないだろうか。
それが今のところの私の答え。
妻側からすれば(もちろん、人によってどう感じるかは個人差があるのであくまで私の主観だけど)、
逃げる夫と、向き合う夫だったら、向き合う夫でいてくれた方がうれしいと思う。
考えたくないだろうし、気を紛らわせたいだろうし、こんな事だったら子供なんていらないとか自暴自棄になるかもしれないけれどさ・・・。
自分が危機的状況に陥った時、どう対応するかはパートナーは見てるからね。
嫌でも見えてしまうからね。
妻側も、夫をサポートしたい気持ちがあったとしても、自分の精神状態を保つだけで精一杯かもしれないから。私はそうだった。自然妊娠しないこと、授からない可能性の方が高いことを一瞬で突きつけられるなんてつらい。私なんで女に産まれてしまったんだろう、妊娠しないかもしれないのにって絶望したし。
(結局妊娠しないままに今の人生終わってしまうことは確定したけれど、今はそれが普通になってる。もちろん、ここまでくる過程はのたうち回って生き地獄だったし、今も泣くけどね。でも、胸を刺す痛みはだいぶなくなったし、夫婦2人で楽しいって今は思えているから。)
向き合えるかは大事だと思う。
その先もし妊娠・出産につながれば、一緒にこの人と子育てを頑張ろうって思えるかもしれない。
その先もし妊娠・出産につながらなくても、この人と一緒だったら残りの人生を夫婦2人でもやっていけるって思えるかもしれない。
その先の選択として、AID/養子縁組の道に進もうと考えるのなら、この人とだったら対等に向き合っていけると思えるかもしれない。
逃げるのか、向き合うのか、というのはかなり大きくその後に影響すると思う。
あとは・・・、”子どもはまだ?”攻撃が次々飛んでくるから、その時にどうやって奥さんを守れるかもポイントだと思う。
夫側が稼がなければのプレッシャーを感じるように、一方の妻は産めるかどうかのプレッシャーかかかってくる傾向があるから(個人差はあるだろうけど)。
夫の精子がゼロであることは誰も悪くない。夫のせいでも何でもない。悔しいけど、残酷だけど、なんでかわからないけれど、ある一定数の確率で(100人に1人)起こってしまうから。
でも、夫の親せきから、私が妊娠しないことを突っ込まれている時に、夫が無言でいたことは一生私は忘れない。あとから夫が”(あの人は)悪気はなかったから”と私に言ったことも一生忘れない。
そんな対応を私は望んでなんかいなかった。相手に悪気がなかったことは、私自身が一番よくわかっていたから。私が望んでいたのは、あんな言い方ないよね、と悔しい気持ちを共感する姿勢だった(あくまで私の場合は)。
不妊の人が傷つくのって、マタニティマークつけてる妊婦見かけることとかじゃなくて、近所の顔見知り程度のおばちゃんに子どもはまだかとか病院通ってるのかとか言われ続けたり、無邪気に不妊を知らん人から「子どもっていいよ!なんで作らないの?」とか言われることだと思うんですけど
— タビトラ (@tabitora1013) 2015, 10月 17
友達や奥さんの両親に対しては妻が対応する方がいいかもしれないけれど、特に夫両親の攻撃(夫祖父母も)は、妻にとっては夫婦関係の亀裂が決定的に入る程の破壊力があるかもしれないから。
流れとしては・・・。
無精子症についての調べる(手術ができる専門医探しも)→夫婦で作戦会議(情報・知識を夫婦で同じ水準にする)→手術する病院決定(男性不妊専門医の診察は必須。必要ならセカンドオピニオン・サードオピニオンも検討して。新幹線・飛行機通院もやってる人はいる)→人事を尽くして天命を待つ→精子回収ができればあとは奥さんのサポート体制強化(外部のプレッシャーシャットアウト!)・・・という感じになるかと思う。
あとは、夫婦ともにネガティブな感情を吐く。夫婦で吐き合うとケンカになる可能性があるから(なんで俺が!なんで私が!っていう相手を責めるような感情を直接ぶつけあうときついから・・・)、twitterに鍵かけて吐くとか。ブログでもいいし(リアルな友人は誰も知らないような)。
言葉にして感情を整理することも、今の状況を客観的に振り返られるからいいかも。その記録が、その後の夫婦の道を選択するのに役立つと思うし。
とは言っても、もちろん感情が爆発することもあると思う。たくさんのブログを読んできたけれど、ケンカしないで冷静な話し合いを一貫して保てる夫婦はいないんじゃないだろうか。
その時に大事なのは、自分を省みることができるかなのかなと思っている。あの時は言い過ぎたかも、ひどいことを言ってしまったかも、と思える瞬間が”ある”か”ない”かではまったく違うと思う。
夫婦間で直接話すなら、相手への感謝の気持ちや悲しみ(相手を責める気持ちではなくて、悲しいよね、つらいよね、悔しいよね、という気持ち)を共有する方にベクトルを置いた方がいいような気がする。
俺たちの将来の子供のために頑張ってくれてありがとう。
私たちの将来の子供のために頑張ってくれてありがとう。
そういう気持ちならドンドン共有し合えたらいいのに、と思う。
たぶんこれからも無精子症が発覚する男性はいると思う。残念ながら予防しようがないんだよ。挙児を望むなら、早期発見・早期対応しかない。
一通り経験して、心の痛みはわかるから。だれでもかれでもオープンにできることでもないのはわかるから。
ダダダーっと思うことを書いたけれど、夫婦で納得した道を進めるといいなと思ってる。