トンネルの中から抜け出して

夫婦2人の人生で思うこと

俺が食わせてやってる!のメンタリティ

男性の働き方について。

ジェーンスーさんと男性学の田中俊之先生の対談が興味深くて、何回も聞いている。こういうカラクリがわかると、私も”なるほどなぁ”と腑に落ちる部分がたくさん出てくる。無駄に悩む時間を減らすことができる。

 

誰が食わせてやってると思ってるんだ!っていうメンタリティを持ってる人って、一定数いるなぁと感じていた。

 

まずは自分が主導権を握っているのが当然っていう意識も関連しているんだろうな。それはnoteでもちょっと書いている。

 

note.mu

 

お前が悪いんだ!って言いたいわけじゃない。

自分が働いているから家族を養えている。家族に不自由な思いをさせたくない。そういう意識が、自分を奮い立たせ、働く原動力となっている人もいるだろうから。それは素晴らしいことだと思う。

 

ただその思考が、家族を蔑むことにまでつながっているんだったら、違うよねとは思う。

 

対談のyoutubuはこちら↓

 


<40男>はなぜ嫌われるか 1/3 ジェーン・スー×田中俊之

 

8分50秒あたりからが働き方についての話になっている。

気になった部分を箇条書きにする。

 

 

・定年まで働き続けるのが当然とされている。

・ ”働くしかない現実”と”働いてさえいればいいという意識”。これに気づいていない男性がたくさんいる。

・俺が食わせてやってる!という考えは、自分が一生働き続けることに対して疑問を持たない有効なドラッグ。それが働いてさえいればいい意識となる。

・リスクは自分に返ってくる。

・開き直れば楽は楽だが、そこから外れることができなくなる。自分で自分の首を絞める結果になっている。

 ・就職したころは抵抗感があったはずなのに、考えてもしょうがない、抵抗もできないから慣れていってしまって、20年くらいたつと疑問にも思わないレベルに達してしまっている。染みついた思考になっている。

・働いてさえいればいいという意識の人は、本当は今が楽しくない。趣味がない、孤独、友達がいない、視野が狭い。そしてそれが顕在化するのは仕事を失った時。

 

 定年退職後の人にそれまでの人生を振り返ったインタビューをすると”残念だ”という感想を持っている人がいるらしい。それは、男性学の本を読んで知った。

私は、定年退職って晴々しことかと思っていた。おめでたいことだと思っていた。そういう気持ちになるって人が一定数いるという現実を知らなかった。

 

だからこそyoutubeの対談はなるほど、と思った。ジェーン・スーさんが言っていた”発病が遅いだけ。感染してから発病までが20年くらいかかる”という例えがわかりやすい。

 

こういう考えに侵食されていくのは本人が苦しいだろうし、その上、身近な家族もダメージが大きいんだろうな。そりゃ、毎日一緒にいる人が、誰に食わせてもらってると思ってるんだーーーー!という意識でいたら、私だったら全力で逃げたくなる。もちろん家族じゃなかったら離れていくけれど、家族だからこそそんな簡単にはいかない。そのまま数十年経過したら、心はグラグラ煮えたぎってもおかしくないだろうよ。

 

それなりに人生がうまく回っていっているのであれば気にならないかもしれない。ただ、なかなかうまくいかないことが現実に起こってくると、耐えきれないぐらいに心はすり減っていくんじゃないだろうか。

 

例えば、なかなか子供を授からない時、子育てが大変な時、仕事がうまくいかない時、介護問題が降りかかった時。今まで耐えてきた思いが一気に噴き出しそう。

 

 

 

あくまで私のイメージだけど・・・。

私自身、結婚生活って夫婦でスワンボートを漕いでいるようなものだと思っていた。よく池にぷかぷか浮いている乗り物。疲れた時はどちらかが休んで、もう一人がちょっと頑張って漕げば止まることはない。もちろん、夫婦一緒に漕げていれば、ぐんぐん前に進んで爽快な気持ちになる。

 

一方、夫はというと・・・、自分は大きいクルーザーを持っていているから”お前(私のこと)は乗ってさえいればいいから(ただし家のことは全部よろしく)”という意識だったみたい。

 

このイメージの違いを知ったのは結婚4年目くらいのこと。気づいた時はけっこう衝撃だった。いやいや、そんな大きい船とかいらないから、スワンボート一緒に漕いでいれば幸せなのに、って私は思っていたから。

 

大きいクルーザーっていうのが、夫なりの男らしさとか、男としてのプライドとかが関連していたんだろうね。でかいクルーザー持ってる俺すごい!みたいな(もちろん実際は持ってないけど)。

 

私は私なりのこだわりがあって(それは子どもを産みたいってことだったんだけどね)、夫には夫なりのこだわりがあるんだろう。夫婦でそれが叶えられるときはどんどん調子も上がるから気分がいいだろうけれど、それが必ずしもうまくいくとは限らない。

 

こだわりを持つことはいいことだろうけれど、そのこだわりに引っ張られすぎるのは自分で自分を苦しめることにもなるんだろうね。夫婦の現状と、これからの未来像が時と共に変わっていく状況もありえるわけだから、それに対応できるように頭を柔らかーく柔らかーくしていくのも必要なんだろうな。

 

夫に直球で指摘すると反発心がすごいだろうから、少しずつ少しずつ、そのあたりのすり合わせが夫婦でできたらいいなぁとは思っている。実際に、夫なりに気づきつつある部分もあるんだとは感じているので、それは素直にうれしい。

 

なかなか話が通じないっていうのも骨が折れるものだ。わかり合えた瞬間のうれしさを少しずつ積み重ねていく日々なんだと思う。

これからも。 

 

 

 

 

<40男>はなぜ嫌われるか (イースト新書)

<40男>はなぜ嫌われるか (イースト新書)

 

 

 

男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学

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